Entries from 2014-01-01 to 1 month

カフカ研究についての覚書(その2)

ここではモーリス・ブランショ著『カフカからカフカへ』(山邑久仁子訳、書肆心水)を取り上げ、その中の幾編かの論考について、自由な形で感想を述べてみたい。 「カフカを読む」 カフカの『日記』が示しているように、カフカが望んだのは、作家になること…

カフカ研究についての覚書(その1)

ハインツ・ポリツァーは、その著『カフカ研究の問題性と諸問題』(1950年)の中で、カフカ研究についてのマックス・ブロートの大きな貢献を認めた上で、次のように言っている。「しかし、あらゆるカフカ解釈の根本的害悪、つまり文学的イメージを、神学…

最近の話題など・・・

「芥川賞150回」に関して、作家で芥川賞選考委員の島田雅彦氏が朝日新聞の「ニュースの本棚」に記事を書いていた。印象に残ったことを引用してみよう。多くの「取りこぼし」の例として、主な落選者である作家の名が挙げられている。壇一雄、高見順、中島…