Entries from 2016-03-01 to 1 month

カフカの『城』とは何か・・・『城』を求めての果てしなき旅(続稿)

ヴィーゼの研究は、父親の論理の世界、つまり父権的世界から失墜した破滅 者が女性的な融和の楽園を求め、そこに希望を見出していくことをフェミニズム的な観点から説明するものであるが、ヴィーゼの説く「女性的な中心」としての反ー父権神話的楽園という発…

カフカの『城』とは何か・・・『城』を求めての果てしなき旅(続稿)

カフカ『判決』とフェリーツェ・バウアー カフカの生前(1913年)に発表された短編『判決』は、カフカが一晩で書き上げ、初めて自らが納得できる小説を書けたという自負を日記に綴った作品である。いわば真の意味で「カフカ的」小説を確立した記念碑的な短編…

カフカの『城』とは何か ・・・ 『城』を求めての果てしなき旅(続稿)

カフカの自伝的な事柄に関して ーーーカフカをめぐる女性たちを中心にーーー (写真左から、エリ、ヴァリー、オットラ) カフカと三人の妹たち オティリー・カフカ(Ottilie Kafka、1892年10月29日 - 1943年)は、「オットラ」の愛称で知られる。作家フラン…