Entries from 2014-10-01 to 1 month

「魚服記」再考

太宰治の「魚服記」は、太宰が若い時(満27歳)に刊行した第一創作集『晩年』に収められた短編である。なぜ15編の作品を収めた処女創作集に、『晩年』などという奇妙な題名を付けたのか。単なるポーズや擬態ではなく、自殺を前提として遺書のつもりでこ…

「フルートアンサンブル・アンダンテ」第21回定期演奏会

平成26年10月26日(日)上記演奏会を聴きに行った。場所は佐倉市民ホール、指揮は金子博陽であった。入場無料であったが、申し訳ないほど有り難かった。このアンサンブルは、八千代台東南公民館のフルートアンサンブル講座を母体として発足したアマチ…

「カフカ論」 F9会での報告資料

9月のF9会での私の話題提供に関しての御心遣い、まことに恐縮に存じます。カフカの専門的な研究者でもない私の素人話など、文章家の上條君にとっては何の困難も覚えないことと思いますが、一応仰せのように飯沼君に記録をお願いすることにします。最近、…

『吉原裏同心』

筆者は特別熱心な時代劇ファンでもないが、あまり娯楽というものがなかった少年時代には結構よく時代劇映画を観た。9月30日の朝日新聞朝刊で「時代劇は生き残れるか」というテーマを取り上げ、三人の各界を代表する人物の主張が紹介されていた(17頁「…