「フルートアンサンブル・アンダンテ」第21回定期演奏会

平成26年10月26日(日)上記演奏会を聴きに行った。場所は佐倉市民ホール、指揮は金子博陽であった。入場無料であったが、申し訳ないほど有り難かった。このアンサンブルは、八千代台東南公民館のフルートアンサンブル講座を母体として発足したアマチュアの音楽サークルとのことである。1994年に第一回演奏会を開き、以来毎年定期演奏会を開催しているとのことだ。フルートを吹くことが好きな20代から70代までの様々な年齢層と様々な職業をもったメンバーが毎週金曜日夜に集い、レッスンを楽しんでいるとはまことに羨ましいことだ。定期演奏会のほかに、病院や公共施設を慰問し演奏するボランティア活動にも取り組んでおられるとのこと。指揮者の金子博陽氏は、国立音楽大学卒業後、シュツットガルト音楽大学でK. ショッホウ教授、A.ニコレ教授に師事。1977年、ドイツ国演奏家試験に合格。ウルムなどドイツ各地での音楽活動の後、シュツットガルト国立歌劇場等ドイツ国内オーケストラの客員奏者を務め、ドイツ・ウルム市立歌劇場正団員となる。1981年、(財)ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉に招かれ、帰国。2011年まで30年間首席奏者を務める。


演奏曲目は、(1)J. S. Bach の「小フーガ ト短調 BWV578」に始まり、(2)F.P. Schubert の劇音楽「ロザムンデ」間奏曲第3番、(3)F.P. Schubert交響曲「未完成」第2楽章 アンダンテ・コン・モートと続き、「四季の詩情」メドレー(星出尚志編曲の日本の童謡集)が終わったところで休憩が入った。
休憩の後は宮崎駿久石譲の名コンビによるジプリ映画から、「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「となりのトトロ」の3作品が演奏された。
素人の感想であるが、澄明な音色を奏でるフルートという楽器が醸し出す空間が、心地よい感動を与えてくれた。
今年相前後して二人の肉親を喪った者の傷ついた心には、演奏技術の上手下手を超えてなによりも癒やしとなる響きを与えてくれた演奏会であった。
アンコールも終わって、最後に舞台上の演奏者と会場の人たち皆で合唱した「花は咲く」(作詞:岩井俊二 作曲:菅野よう子)には、スタッフの巧みな演出もあったであろうが、
思わず涙がこぼれてしまった。