南信濃への心の旅

 私は高校時代の同級生であるT探検隊長の率いる探検隊の報告の大ファンで、いつも楽しみに読ませてもらっている。昨年たまたま感想文を投稿したところ、探検隊長に気に入られてお褒めの言葉をいただいた。おまけに隊長が踏破した南信濃の村々の味覚を頂戴する破目になった。柚ユベシなど仕入れてきて、下条村、天龍村南信濃村、天空の里、しらびそ高原、大鹿村、ヒマラヤの青いケシが咲く農園などを探索して、登り下りの標高差計6000メートル以上の道を走って来たそうだ。そのうちの距離300キロは、車がすれ違い出来ない狭い林道だそうだ。こんな道は隊長以外の誰も運転したくはないだろう。隊長さんは、南信濃の味覚として有名な「柚っ子ユベシ」(薄く切ってチーズにはさむと酒のつまみに最適)、天龍村の「栃の蕎麦」(栃の実をつぶして粉にし、そば粉と混ぜて練り上げたこだわりの逸品、その微妙な香りと風味と食感はとても言葉では表現できない)、天空の里の芋田楽に使う絶品の芋の焼酎(「下栗いも焼酎」)など素敵な珍味・美味を送って下さった。

 南信濃の地理や風景を予備知識として収集するために、iPhone6の画像やマップを調べたりしたが、素晴らしく豊かな自然に恵まれ、気候も温暖なようである。偶々テレビ(BS4)の「三宅裕司ふるさと探訪」という番組で下條村が取材されていて、下條村出身の峰竜太も出演していた。
 T探検隊長が送ってくれた「山奥の村紀行ー(日本で最も美しい村)大鹿村ガイドブック」によると、関東平野から南アルプス西側を通り、四国・九州へと伸びる日本最大の断層である「中央構造線」が走り、これに沿って秋葉街道が拓かれている。大鹿村中央構造線博物館もあり、構造線の成り立ちを知ることができる。大鹿村には230年の歴史をもつ大鹿歌舞伎があり、無形民俗文化財に指定され、春と秋には定期公演が行われ、県内外から多くの見物客が集まるそうである。村には塩分濃度の高い「鹿塩温泉」があり、その静かで奥深い風情とたたずまいが抗い難く心を惹きつける(右の写真参照)。

 大池高原・中村農園にはヒマラヤ原産で栽培が難しいといわれる青いケシの花が咲き乱れている。




 信州の最南端「信州の南玄関口」といわれる天龍村は、静岡県と愛知県に境を接している。静岡・愛知両方の文化と接触をもち、互いに密接な影響関係を受けているように思われる。気候の温暖さもさることながら、多彩な食文化にもそれは如実に現われているようだ。