Entries from 2016-02-11 to 1 day

カフカの「語り」(1)

カフカが1912年秋に一夜で一気に書き上げた『判決』の最後は、「この瞬間、橋の上にとめどない無限の雑踏が始まった。」という一文で終わる。この最後の幕切れをめぐって、カフカ研究者によってさまざまに論議されている。この最後の一文は、一体なにを言お…

カフカの「語り」(2)

『変身』からの引用した文章War er ein Tier, da ihn Musik so ergriff ? 「こんなに音楽に感動するのは、(俺は)やはり動物なのだろうか」を、筆者は体験話法の例として挙げた。体験話法(英語やフランス語では自由間接話法)は、一般に作中人物の内的な意…