Entries from 2016-04-25 to 1 day

カフカの『城』とは何か・・・余談 「カフカのエクリチュール」

すでに述べたことであるが、カフカの『城』の初稿は、その手書き原稿によると、冒頭からほぼ40ページ以上にわたって、一人称で書かれている。その後一人称が姿を消し、代わってKがこの物語の主人公として現われてくる。ドリット・コーンは、カフカがなぜ一…

カフカの『城』とは何か・・・『城』を求めての果てしなき旅(続稿)

前回のブログで写真集の後に引用した文章は、晩遅くに村へ到着したkが、国道から村へ通じる木橋の上にたたずんで城があるとおぼしき山を見上げている場面と、翌日晴れ渡った冬の朝景色のなかで、彼の目に映った遠くに見える城の表情である。それは明晰でく…